毎日暖かくなり誉自転車前の国道でもたくさんの方がスポーツサイクルを楽しんでいる姿を見かけます。
誉自転車のお客様の中には、しばらく乗っていない古い自転車に久しぶりに乗るので整備して欲しいという方もたくさんいます。
パッと見、古い自転車と言うだけでその日のうちに整備完了しそうでも、整備しているうちに
様々な部品交換が必要な状態だと分かり時間がかかる事があります。
今回はそんなお話です。
来週末に一緒にサイクリングに行く知り合いのロードバイクの変速調整をしてほしいとのご依頼をいただきました。
電話にて今どんな状態なのかを聞いたところ、何となく違和感は感じる内容でした。
[普通は人による調整不良でも無い限りそんな状態にはならないのにな・・・]
そう思っていましたが、自分では触っていないらしく、
とりあえず実物を見せてもらう事になりました。
お客様の持ってきたイタリアの某高級ブランドのロードバイクを見せて頂いた所、
確かに一見、電話で聞いたような状態、
でも色々調べて分かったのは、下の写真のようにRディレイラーハンガーが内側にけっこう大きく曲がっているという事。
リプレイスハンガーを外し確認した所、アルミフレームの取り付け部分から曲がっていたため、この時点で作業を中止する事になりました。
フレームエンドごとダメージがあるので、一か八かクロモリフレームみたいに修正工具で修正するしかなさそうですが、当店では責任が持てませんので購入されたお店でお願いするように説明させて頂きました。
今回、話はまだ続きます。
翌日に同じお客様が別の自転車を持ち込まれ、
今回のサイクリングで、お知り合いの方にはこちらの自転車で行ってもらうから
これを整備して欲しいとの事でした。
古い自転車ですが、パッと見ふつうです。
依頼されたのはまたまた変速調整のみ。
ワイヤー交換して再調整で大丈夫だろうと、私自身も甘く考えていましたが、
今回も落とし穴がありました。
どうもフロントの変速がおかしい?
可動範囲はちゃんとできていて、ワイヤーも張れていて、
インナー⇒ミドル⇒アウターへの変速は大丈夫、
でも、アウター⇒ミドル⇒インナーの変速時にインデックスが無く
一気に落ちてしまいます。
この手のラピッドファイアタイプシフターのインデックスの動作異常は、中の古いグリスが固まって固着している事が原因で起こる事が多く、しばらく動かしていない古い自転車によくおこります。
特に冬場動かさないと、劣化したグリスが固着しやすく、春先によく起こる典型的症状です。
対策は、
[中の固くなったグリスを溶かすためにWAKO’sラスぺネのようなケミカルを隙間から内部に吹き込む]です。
これで大抵はなおります。
がっ・・・今回はダメでした。
ワイヤーを連結し直し動作させた所、最初は何とか正常に動きますが、
何度か動かすうちにインデックスのカチカチとした感じが無くなってきて、
最後にはシフトレバーが戻ってこなくなりました。
この時点で、見切りをつけ、左シフトレバー取り寄せ交換の許可をお客様に頂く事にしました。
このお客様は、実際に使われるのが来週末ですので、何とか間に合うでしょう。
でも今回のように、一見その日のうちにお返しできそうな簡単な整備でも
しばらく乗っていない自転車や、古い自転車だとこんな場合もあります。
出来るだけ使う予定日より早めに整備に出す事を強くおすすめします。
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