誉自転車の商品で年間通してもそれ程数を売ることが無い商品に
MTBのサスペンションフォークがあります。
単品で買うと高いですし、そもそもマウンテンバイクに熱量をもっている
ライダーが香川にはそれ程いないのでしょうがないとはおもいます。
となると、サスペンションに関する知識も持っている人が少ないというのが
実際のところです。
今回店で在庫していたサスペンションに手を加えることになったので、
そのついでにちょっとした豆知識をお伝えします。
先に言っておきますがマウンテンバイクを何年も乗っているには、特に何の驚きもない普通の事です。
今回実際に作業したロックショックスはもちろんですが、
ライバルメーカーのFOX(2ndラインのマルゾッキ含む)のフォークも
内部分解とエアピストンの部品変更で
ストロークの変更ができます。
正確に言うならできるモデルとできないモデルがあるのですが
ミドルクラス以上のグレードの物であればできるものが大半です。
具体的に変えるパーツはエアピストンとそのロッドに当たる部品です。
今回のロックショックスでいうなら
DebonAir Spring upgrade kitと言うのを取り寄せて交換し、その際
変更したいストローク量に対応したものに変えておけばOKとなります。
上の写真がそのDebonAir Spring upgrade kitでパーツのお値段は
¥4,950(税込)だったと思います。
元のサスペンションは2019PIKE27.5インチ用Boostの150㎜ストロークです、
コレを取り付ける予定のフレームジオメトリーに合うように130㎜ストロークに変更します。
だいぶ省略します、左側が出荷状態でついていた
150mm用のDebonAirピストンを取り外したもの
右がこれから取り付けられる130mm用のピストン
ストローク量の変更以外にも
2019モデルの初期型DebonAirから現行のマイナーチェンジ後のDebonAirに
変わるというメリットもあるはずですが、外観的にストロークを小さくするためのパーツの大きさ変更以外には特に何も変わらないように見えるんですけど、
まぁ、メーカーが大げさに言うほどの性能の違いは無いと思ってます。
さてストロークが変わるなら、ボトムレストークンもそれに対応した数に変更しなければいけません、いけませんと言うかした方がいいです。
2019pike27.5用の150㎜ストロークの工場出荷時のボトムレストークンは1個なのですが、130mmの場合は2個となっています。
という事で、1個追加しておきました。
サスペンションのセッティングに正解と言うのは無いのですが、
極端なのや、自分の体重に対するメーカー推奨セッティングから大きく外れて使うのはお勧めしません。
エア室とボトムレッグ内に入る少量の潤滑用オイルとダストワイパー&フォームリングに多少の手心と最終的な組付けからエア注入前にひと手間加えておきました。
※そんなに大したことではありません、どこのショップでもやってる事です。
元の形に戻してエアを入れて完成です。
2年間店で寝かしてしまったPIKEですが、この後体重で押してみたら
オープンモードでの動きだしが無茶苦茶いい動きになりました。
(自分でもちょっとビックリ)
さてこのロックショックスPIKE、店で去年の10月から運用していた
2021SURLYカラテモンキー ゴールドMサイズに
取り付けられています。
(左:ストック 右:現在)
この時のブログで入荷をお知らせした、この色のフレーム・フォークセットと
この後入荷する予定の完成車も予約で埋まってしまったので、試乗車として
ストック状態で運用する必要がなくなったと判断しました。
晴れてデモ車(これからは私の私物)として誉自転車らしいカスタムバイクになる予定です、まずはサスペンションと店に転がってたステム等のパーツ(あくまで仮)でトレイル仕様に。
これから、本格的にほんとに使いたいパーツに変えていく予定です
気分上がりますね、ずっと自分のカラテモンキーが欲しかったんですよね。
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カラテモンキーMサイズ乗り (木曜日, 10 11月 2022 02:56)
素人的な質問で申し訳ないのですが、カラテモンキーの推奨トラベル長は140mmだそうですが、同じオフセットで130mmや150mmではどう影響するのでしょうか?
誉自転車 西川 (木曜日, 10 11月 2022 12:53)
そうなんですよね、カラテモンキーのサス付きの完成車って140mmがついてくるんですよね、私このころ130mmが付いてると勘違いしていた為、この時も130mm用の部品を調達してしまったんです。
ご質問の件ですが、シンプルな答えになりますが
フォークが長いと「ヘッド角が寝る&BBハイトが上がる&シートポスト角が寝る」
フォークが短いと「ヘッドが立つ&BBハイトが下がる&シートポスト角が立つ」
という物理的に当たり前の答えになります。
それぞれメリットデメリットはあるでしょうけど
ヘッドが寝る メリット:直進安定性が上がる(さいきんのMTBのトレンド)、デメリット:フロントアップ等がやりにくい、になりヘッドが立つときのメリットデメリットはその逆という感じですね。
BBハイトに関して言えば、上がれば重心も上がるのでライダーからの操作に反応しやすい(フロントアップなど)、下がれば車体の走行安定性が上がる。
メリット/デメリットはそれぞれ逆に打ち消しあう事になりますので、基本的には設計意図から余り大きく外れる事のないストローク(もっと言えば肩下寸法も)のフォークを選ぶ事をお勧めします。
カラテモンキーMサイズ乗り (金曜日, 11 11月 2022 09:25)
丁寧に解説していただきありがとうございます。上記理解しました。乗り味は好みなのかもしれないですが、実際に現行カラテモンキーMサイズに150mmストロークのサスペンションをつけるのはアリですかね?当方172cmです。
誉自転車 西川 (土曜日, 12 11月 2022 16:05)
メーカーの完成車に140mmのサスがついてくるバイクに150mmを入れたとしても誤差の範囲で大丈夫だと思ってます。それで変わるヘッドアングルなんか0.3~0.5度くらいのもんですよ。何よりカラテモンキーなんて”所詮はサーリー”なんです。細かいこと気にする方が粋じゃないと思います。
やり過ぎはどうかと思いますが、好きなようにするのがカッコいいですよ。
カラテモンキーMサイズ乗り (月曜日, 14 11月 2022 15:24)
ありがとうございます。大変参考になりました。長野在住ですが、香川に行く機会があれば、店舗にお邪魔したいと思います。