
うちの店はSURLYの正規ディーラーだけど、そんな私から見てもSURLYはフレームセットも完成車もちょっと高くなりすぎてると思います。
SURLYの魅力って、頑丈さ・汎用性・独特のカルチャー感にあるけど、価格帯だけ見ると「うーん…」ってなるのも無理ないですよね。特に、他ブランドが似たスペックでもう少し手頃な価格を出してきてる今、SURLYの価格設定はロマン代含む値段なんだろうね。
何かの影響(SNSや都会のおしゃれショップに脳を焼かれて)でサーリーに興味を持ったお客さんが来ても、実際に乗る前にメーカー完成車を買うか?個々のパーツをセレクトしてウチで注文組するかの選択がある。
だけどサーリーの完成車についてるパーツってサーリーらしさを表現するために多少突飛なものがついてて一般的にはやり過ぎ感があったり、そのせいで全体的なパーツ構成に対して割高だったりする(他ブランドの完成車でこの値段だしたらもっといいものが買える)。
対して”オーダー組み”は、そもそもお客さんに自転車のパーツや規格、ブランドに対しての知識が要求され、その時点で人を選んじゃう。パーツに関しても単品での購入というのは基本的に完成車に付属されている場合に対し割高で、しかも最終的にお客さんの依頼で組み立てるわけだから、そこに組み立て工賃(たいていの場合丸2日分作業相当)がプラスになってきてすごく贅沢な注文の仕方になる。
ここでなんだけど、注文組みを選択できるようなお客さんは少ないけど、
誉自転車としてはそこは問題だと思ってないんです。
こちらからの配慮が必要なのは、とりあえず手っ取り早くサーリーに乗りたければメーカーの完成車となるけど、割高なうえにビミョーなパーツ構成の物を買わざるをえなくなる比較的自転車歴の浅い人たちだと思うの。
しかも彼らがメーカーの用意している割高の完成車を購入し、乗り出して、いろいろ気づきがあって”ここを憧れのパーツでカスタムしたい”とかのサーリーの醍醐味ともいえる要求が出たとします、そしたら単品で売ってるカスタムパーツを購入して取り付けるわけだから結果として金額的な面で見たら、贅沢なオーダー組みよりも余計な支払いをしてることになる。
なんか初心者に優しくないよね(私たち自転車屋は儲かるけど)。
実際ここ数年くらい前からサーリーの値段が上がり過ぎたこともあって
(これはサーリーだけじゃなくてほかの自転車メーカーも一緒)
完成車もフレームも定価で買ってくれる人が減ってきているのを現場で肌で感じます。
🚲「買えるSURLY」──誉自転車からの提案です
SURLYに憧れてご来店される方は多いです。
でも、完成車は割高でパーツ構成もクセが強い。注文組みは知識と予算が必要。
結果として「乗りたいけど、買えない」という声もちらほら。
そこで、うちで考えたのが──**“買えるSURLYを作る”**という選択肢です。
別に最近になって考えたことではなく、ブログタイトルに”第2号”とあるように
このコンセプトでの自転車は去年も用意したことがあります
という事で第2弾!久々に用意してみたのがこの1台
誉自転車オリジナル完成車 SURLY Karate Monky フールズゴールド Mサイズになります。

🧩 どうやって作ってるのか?
• 🧱 フレームセットは新品のSURLY
基本的には店の在庫品を使います。中には値上げ前に仕入れたものもあるので、現行価格より割安感あり。
※実際カラテモンキーのフレームセットの現行価格は¥198,000(税込み)に対し、このフレームは¥154,000(税込み)のころに仕入れたもの
• 🔧 パーツは“いい塩梅”でセレクト
• 過去にお客さんがカスタム後に置いていった新車取り外しパーツ
• 状態の良い中古パーツを安く買い取ったもの
• 店長が選んだ「品質は良いけどリーズナブル」な新品パーツ
• 🎯 カスタムされる可能性が高い部分は、あえてグレードを落とす
どうせ後で変えたくなるなら、最初から“育てる余白”を残しておいた方がいい。
(※ただし、粗悪品だったり、そのまま使い続けるに不満が出そうな的外れなパーツは絶対に選ばない)
それが、SURLYらしい楽しみ方だと思うんです。
💸 結果としてどうなるか?
• ✅ 完成車としての価格は、メーカー完成車よりも納得感あり
• ✅ パーツ構成も「クセはあるけど、ちゃんと走れる」レベルで整ってる
• ✅ カスタムの余地も残してあるから、乗りながら育てていける
そして何より──初心者にも優しい。
「とりあえずSURLYに乗ってみたい」という人に、無理なく手が届く(かどうかは人にもよるでしょうけど)一台です。
長々とした前置きになりましたが
出来上がった誉自転車オリジナル完成車第2号のカラテモンキーは、
メーカー完成車(現行価格)¥369,000(税込)に対して、
¥256,000(税込)にまとめることができました。
この価格差──¥113,000の差額──は、初心者にとっても、ベテランにとってもかなり魅力的なはず。
しかもただ安いだけじゃなくて、パーツ構成も“いい塩梅”で整ってる。
これが「誉自転車式・SURLY入門機」です。
※写真のバイクはキャリパー台座の発注ミスが原因でリヤブレーキキャリパーが取り付けられていませんが、
近日中に取り寄せてとりつく予定です、そのパーツ分も価格に含まれています。

こちらSPEC表になります。
🏁 最後に
SURLYは、乗ってからが本番。
「こうしたい」「ああしたい」が湧いてくるのが楽しい。
でも、そのスタート地点が遠すぎると、せっかくの憧れが萎えてしまう。
だからこそ、誉自転車では**“買えるSURLY”**を用意しました。
乗ってみて、育ててみて、カスタムしてみて──
その全部がSURLYの魅力だと思うから。
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