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お客様がオークションでポチッたマウンテンバイク整備のお話です。

誉自転車を良くご利用してくださるお客様がオークションで落札した

スペシャライズドのトレイルバイク[FUSE]です。

最近のMTBらしく29er/27.5コンパチブルでしょうか?

27.5×3.0のプラス規格タイヤ装備なので、現時点ではセミファットバイクと言えますね。

とりあえず一旦、全部整備し直してほしいというご依頼でした。

見た目非常にきれいなのですが、やっぱりオークション落札品等の中古品は

くせ者が多く、今回もかなりやらかしてくれてました。

まずは、回らないリヤホイールです。

ローターが常に内側パッドに当たっているからか?と思いましたが。

キャリパーの位置の問題ではなく、ローター側でした。

こんなにひん曲がって回転できるわけありません。

ここまでになると交換しかありません。

フロントブレーキは比較的マシ。

キャリパーの付け外し調整だけで大丈夫。

ハンドル、ステムの取り付けがまるで90年代のクロカンレースシーン。

時代錯誤を感じました。

元のオーナーさん、頭のアップデートしなかったのか?

ヘッドのトップキャップ締めてからステム取り付けてないじゃん⁉

 

お客様からチェーンがローより内側に落ちてしまうと聞いて、

「なんでやろ?ただの調整不足?」と思いましたが・・・。

後から見るとディレーラーの角度が明らかに変。

ハンガー曲がっとりますなー(笑)

ディレーラーに傷は一切ないとこをみると、おそらくは輸送中にこうなったと

思います。

しょうがないですよね、運送屋のドライバーにしてみたら

そんなとこまで気をつかって仕事できませんよ。

 

さて、困りますね、ウチはスペシャライズドディーラーではないので、

純正品のハンガーは手に入りません。

だいたいの状態は把握できたので、各部細かいチェックしながらの組みなおしです。

ヘッドのベアリングはどういう訳か、下側のシールドベアリングのみグリスがだいぶ抜けてゴリゴリ感が出始めてました。

一旦シールドパッキンを外し、洗い油で古いグリスと汚れを流し、新しいグリスを詰め直し再組付け。

写真撮り忘れましたがBBのベアリングもだいぶグリス減ってましたので詰め直しました。

ハンドル、ステムの位置・向きをトレイルライド志向に変更。

絶対この方が乗ってて楽しいはずです。

ハンガーはかなり迷いましたけど、可能な限り修正しました。

知ってる人の方が多いでしょうけど、アルミのハンガーは本来修正してはいけません。だから簡単に交換できるようになってるわけなんですけど、形はその自転車のフレームごとに専用の物の事が多いため、一旦曲がると、そのブランドのディーラーでしか手に入らないこともあります。

今回もそんな感じでした。

写真でわかるかどうかわかりませんが

左:修正前

右:修正後

です。

完璧な修正は無理です。

この状態も修理完了というよりは一時的応急措置と考えて、できたらスペシャのディーラーさんに新しいハンガーを注文するようにお客様にはお願いしました。

後のローターはシンプルに交換、そんなに金をかけても申し訳ないので、テクトロのΦ160㎜ローターにしました。確か¥1700だったかな?

安いけど、私もBREEZER”INVERSION”の後ろ側に使って、問題ない事を確認しています。

だいぶいいダウンカントリーバイクができたような気がします。

ハンガーの問題が完全に解決したわけではないのですけど、十分に山を楽しめるように仕上げました。

オーナー様はロードやシクロクロスがメインの方ですが、このバイクでマウンテンバイクも好きになってもらえたらうれしいです。