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新型 BikeYoke SAGMA 3D、ショックユニット調整でここまで変わる

少し前に新型シマノXTをデモ車に投入したその日

実は、もう1品新型の製品を投入していたんです。

3Dプリンターでつくられた新しいBIKEYOKE SAGMA 3Dも初めて使ってみた。

無線化された新型XTも一緒に投入して、ちょっとテンション上がってたんだけど……

乗ってみたら、あれ?なんかちょい硬い…?

SAGMAの特徴のショックユニットが硬いっていうより、座面そのものが“素材的に”やや硬い感じ。

3Dプリンターで作られたサドルに座ったのは初めてだったし、

勝手に持ってた「SAGMA=グニャグニャ系」のイメージに反して、

座った瞬間に「あれ…硬っ」ってなってしまった(笑)

そうか……従来サドルのウレタンフォームにナイロンや合成レザーの表皮って、

お尻にあたる感じは優しい素材だったんだなと改めて実感。

でも、SAGMA 3Dのいいところは、ショックユニットを交換できること。

サドルがグニャグニャ動く度合いを調整できるから、

「これはちょっと硬すぎたな…」と思ったら、後で変えられる。

というわけで、この日はXTのインプレがメインになって、

SAGMA 3Dの方は「再調整してからもう一回ちゃんと書こう」と保留に。

ユニット交換後の“柔らかめSAGMA3D”で、もう一度乗ってみた感想をまとめることにしました

「少し硬いな〜」と感じたSAGMA 3Dの座面。

でもこれは、単に“私の感覚”という話であって、実際にはかなり考え抜かれて作られている。

BIKEYOKEの公式サイトには、この画像と一緒にこんな説明がある:More than 3500 nodes in the internal supporting structure allow us to optimize each area of the saddle for the desired objective.

(内部の支持構造には3500以上のノードが配置されており、サドルの各エリアを目的に応じて最適化しています)

 

つまり、SAGMA 3Dの座面はパッと見ではわからないけれど、内部には緻密な構造が組み込まれていて、

ただ素材を積層させて形を作っただけではないのです。

サポートゾーン、圧力緩和チャンネル、快適パッドなどがエリアごとに配置されていて、ライダーの動きや荷重に応じて反応するように設計されている。

初回ライドで感じた“硬さ”も、もしかしたらポジションや荷重のかかり方がまだ合ってなかっただけかもしれない。

それに、従来のウレタンフォーム+表皮のサドルに慣れていた分、素材の違いがダイレクトに伝わってきたのかも。

だからこそ、ショックユニットの交換とポジション調整をして、もう一度ちゃんと乗ってみようと思った。

SAGMA 3Dは、見た目以上に“中身”も作りこまれてるはずなのですよ。

という流れで

SAGMA 3Dのショックユニットを交換してみる

これが、SAGMA 3Dを購入したときに標準で付属するショックユニット。

SとHのマークは、それぞれ**Soft(ソフト)とHard(ハード)**の意味。

ちなみに、出荷状態では前後2つのユニットに**「R」の刻印が入ったものが装着されていて、これはRegular(レギュラー)**を意味している。

今回は、初回ライドで「ちょっと硬いかも…」と感じたので、

柔らかい使用感を求めて、後ろ側のRユニットをS(ソフト)に入れ替えることにした。

SAGMA 3Dはこのユニット交換で、サドルの“グニャグニャ度”を調整できるのが面白い。

 

SAGMA 3Dのショックユニットは、サドル裏の前後に取り付けられていて、

「もしかしてサドルをシートポストから外さなくても交換できるのでは?」と思い、

まずはレールとユニットの連結ボルトを外す方法で挑戦してみました。

六角レンチを使って、左右の連結ボルトを順に外していく。

触っていて楽しいパーツです。

ここまで外せば交換できるだろうと思っていたのですが…

実はこの状態ではユニットの完全な取り外しができないことに気づきました。

結局、シートポストからサドル上部を丸ごと外す必要があることが判明。

見た目の構造から判断してしまったのが間違いでした。

正しい手順を踏まないと逆に遠回りになることも。

でも、こういう試行錯誤も含めて整備の楽しさ。

S(ソフト)ユニットの装着が完了。

PATENTEDの文字が控えめながら何だか誇らしいじゃないですか。

触れているとBIKEYOKEらしいこだわりが伝わってくる。

少し遠回りはしたけれど、構造への理解も深まり、

次回からはもっとスムーズに交換できそう。

組み直し完了!

Sユニットへの交換を終え、サドルを再びシートポストに装着。

見た目は変わらないけれど、中身は“ソフト仕様”に生まれ変わったSAGMA 3D。

ここまでの作業は、

「サドルを外さずに交換できると思ったら違った」

「結局、全バラして再組み立て」

という遠回りもあったけれど、

その分、構造への理解も深まり、BIKEYOKEの設計思想にも触れることができた。

次回のライドが楽しみ。

柔らかめのユニットが、どんな乗り心地をもたらしてくれるのか──

 

8月20日、水曜の定休日。

少し涼しくなりかけた夕方の時間を狙って、

Sユニットに交換したSAGMA 3Dをトレイルに持ち込んで早速テストしてみました。

……といっても、「さっそく」と言いつつ、

前回のライドからは実は1か月近く空いてしまってるんですけどね(笑)

 

テストライドの前に、改めてSAGMA 3Dの座面を観察してみると――

後方のお尻が乗る部分、けっこう平らなんですよね。

しかも、端の方はいきなり角ばった形状になっていて、

このあたりが当初「素材が硬い」と感じてしまった要因のひとつかもしれない。

もし端の方がもう少し丸みを帯びて、下に向かって落ちている形状だったら、

座ったときの圧力の逃げ場ができて、形状的にも“硬さ”を感じにくかったのかも。

もちろん、これはあくまで個人的な感覚だけど、

こういう細かい形状って、乗り心地に意外と影響するんですよね。

結局サドルは相性ってのもよく言われますしね。

 

🧩 調整後の乗り心地は“明らかに違う”

トレイルヘッドに向かう登り坂で、

あえてグイグイとサドルに体重をかけるような登り方をしてみました。

結果は――

前回よりも明らかに柔らかい座り心地。

これはもう、たいていの人が体感できるレベルの違いだと思います。

今回の調整で支えになるショックユニットが柔らかくなったことで、

素材の硬さも特に気にならなくなりました。

ペダリング時には、股から太ももにかけての動きに対して、

サドル上部がしなるように追従してくれるのがはっきりとわかります。

この“しなり”があることで、

サドルがただの座面ではなく、動きに寄り添う“支え”として機能してくれる感覚。

たぶん、サドルの上にいる時間が長くなればなるほど、この違いがじわじわ効いてくるはずです。

もし今回の調整でもまだ硬さを感じる人がいたら、

前側のショックユニットをSサイズに交換するという選択肢もあります(※追加購入が必要)。

ただ、私の場合はこの状態で十分満足。

しなるといっても変に支えが動くような感じではない安心感があり、サドルが“道具”としてしっかり機能してくれています。

ちなみに、路面からの微振動や突き上げについては、

バイク自体がフルサスペンションなので、今回ははっきりとは感じられませんでした。

でも、サドル側でも多少は軽減する効果があるはず。

素材のしなりとショックユニットの組み合わせが、

“乗り心地の底上げ”に貢献してくれているのは間違いないと思います。

最後にSAGMA 3Dのバリエーションと、ちょっとした“遊び心”

 

SAGMA 3Dには、幅130mmと142mmの2サイズ展開があります。

誉自転車のデモ車に使っているのは142mmの方で、おそらくこちらが人気モデル。

レール素材は「アルミ」と「カーボン」。

価格はアルミ¥33,000(税込)  カーボン¥42,000(税込)

 

ちなみに、SAGMA 3Dはレールから上がすべて分解できる構造になっていて、リプレースパーツとして「カーボンレール単体」も購入可能(¥10,000税込)。

…ということは? アルミモデル+カーボンレール=¥43,000で、カーボンモデルと同価格。しかも予備としてアルミレールも手元に残る。これはちょっと得した気分?いや、沼の入り口かもしれません(笑)

重量差はカタログスペックで約20g。趣味の世界なので、カーボンを選ぶ価値があるかどうかは…

その人の価値観次第ですね。

 

さらに、サドル後方にあるBIKEYOKEロゴ入りのラバータグも交換可能。

ブラック、シルバー/グレイ、オレンジ、ピンクなどのカラーバリエーションがあり、価格は1個¥500(税込)。

ちょっとした“遊び心”で、バイクの印象を変えることもできます。

そして、実はSAGMA 3Dには「Lite」というモデルも存在します。

こちらはショックユニットがないタイプで、同じく幅130/142mm、

レール素材もアルミ/カーボンの選択肢あり。

「サドルにしなりはいらない」「とにかく軽くしたい」という人には、こちらも選択肢になるかもしれません。

最後にひとつ。SAGMA 3Dは基本的にはトレイルライドやエンデューロ向けのMTB用サドルですが、グラベルロードやロングライド系のロードバイクにも合うかもしれません。

ロードバイクの乗車姿勢は全身で体重を分散させるため、お尻にかかる圧が少なく、素材の硬さが気になりにくい。さらに、ローディーさんはパッド入りのビブやスパッツを履くことが多いので、SAGMA 3Dの構造的な柔軟性がより快適に感じられる可能性も。

MTBライダーだけでなく、グラベルやロード系の方にも少し興味を持ってもらえたら嬉しいです。