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MTB サスペンションオーバーホールのお問い合わせについて

去年末くらいから、メールや電話でのお問い合わせが急に増えたのが、

古いマウンテンバイクのサスペンションのOHについてです。

どうも困っている人がかなり多いようです。

代理店の変更やメーカー保証期間切れ、時にはメーカーが後の事も考えずに専用設計のモノを取り付けていたり理由は様々な感じですが、買う側もあまり後の事は気にせず買ってしまう人が多いのにも原因があるのなと思います。

 

ウチへ問い合わせが増えている原因はどうやら過去のブログのようで

コレや、コレを見ての問い合わせが多いです。(この2つのブログ記事は過去のアクセス数において飛びぬけた数字になっています)

 

古いサスペンションに関しては、15~20年近く前のモデルとかになってくると、もうネット上にも

内部構造やオイル粘度、量に関するデータが残っていないため、必ず完璧な作業が出来る訳ではありません。

正直な話、「出来る事はやるけど、出来ない事はあきらめる」と言った感じになります。

今回紹介する過去の作業はも、そんな感じで行った作業になります。

 

こちらは、完全にビンテージ。

90年代中頃のスペシャライズドについていたというSワークスのサスペンション。

製作はロックショックスによるOEM物です。

私も実際に送られてきた物を見た時、コレは断った方が良かったかもと思ったのが

正直なところです。

お客様からは、ダメ元でやる事の許可を頂いていたので、

とりあえずバラせるとこから外していきます。

大昔のサスペンションなので構造はシンプルその物です。

オイルに関するデータは何処にも無かったので年度は見た感じ、

量は実際内部から出た量で判断します。(それ以外にやりようがありませんでした)

 

残念ながら、このサスペンションに対して壊れる可能性なくバラせたのはココまででした。

インナーとダンパー部品を引き出す方法は、調べましたがわかりませんでした。

ココまでバラしてインナーロッドを指で動かした所抵抗なく動いたので、間違いなくエアサスだと判断。

エアを入れるバルブが最初分からずに、どうしたものかと思いましたが、ある位置に

逆止弁があるのを見つけました。

 

内部から出たオイル、ヤバイっす。

「外から掃除できる部品を可能な限り掃除して、新しいオイルに交換し、オーナーさんも入れ方を知らなかったエアを再注入する。」

コレが実質行った作業になります。

完璧かと言えばそうじゃないですね、ダンパーを触って無いんですから。

ですがこれ以上は本当にダメにしてしまう可能性が高いと判断した結果です。

 


さて、お次はこちら。

ロックショックスSIDのリヤユニット。

特にどこが悪いというよりは、使うには放置期間が長すぎという理由からのOHです。

私がマウンテンバイクを始めた時期のモノかと思いますので2000年位の完成車に

ついていた物でしょうね。

こちらも内部に関するデータはもうどこにもありませんでした。

とりあえばエアカン部を外しました。

メインのエアを漏れないようにするためのOリングです。

外すとこんな感じ、もう再利用は無理です。線径等を調べてもJIS規格では該当しそうな物が無くそれ以外の規格で対応する事にしました。

エアカン内部です、樹脂のカラー(水色の部品)等を取り外し掃除します。

もう純正の交換部品は手に入らないので何かを壊したら、修理不可能になる

可能性も高く、緊張しますね。

エアカン内部には普通なら潤滑用のオイルが少量入っているのですが、ほぼ全部抜けていました。

インナー側です。

青いアルマイトの部品がエアカン内でポジティブとネガティブエアの空気を分ける壁になる部品で5つ上の写真のように太いOリングが付いています。

当然Oリングは交換しました。

このOリングはJISの汎用品にも使える物がありました。

交換できるOリングは全部交換します。

ちなみに詳しく書くと長くなりすぎるので書きませんが、Oリングにも取り付けられる目的や条件用に種類がたくさんあります。

サイズが合うからなんでも良しと言う訳ではありません。

指で摘まんねいるインナースリーブ内部がオイルダンパーなのですが

何処にも開けるきっかけになる部品や構造が見つかりませんでした。

今回の作業もオイルダンパーは分解していません。

手抜きではなく本当に色々調べてやってみましたが、見つかりませんでした。

この時の作業用に取り寄せたOリング類です。

 

右は新品のOリング、左は取り出したもの。

左は若干の傷があります。

 

掃除したエアカンを組み付けます。

最初に出たエアカン上部のOリングも左の新品に交換。

ココは無理やり閉め込む形になりますので、時間が経つと右のようになるんですね。

エアカンを組み付け、シュレーダーバルブ取り付け前に潤滑用のオイルを少量入れます。

元のオイルがほぼ無かったので純正のオイルの粘度や量は分かりませんが、

漏れを出来る限りふせぐために、やや硬めのオイルを入れておきました。

ブッシュを圧入しなおし完成です。

この作業もオイルダンパーをバラさなかったので完璧ではありません。

このように当店では古いサスペンションに対しての作業は、必ずしも

完璧に行うという事ではなく、出来る事をするという感じになります。

内部構造に関するデータも、交換部品も手に入らない状況下の作業になりますので

しょうがないと思ってください。

 

ちなみに皆さんサスペンション関係のお問い合わせの際、

ほぼ必ず、モデル名と現在の状態を説明して、直せましすか?

と聞いてくるのですが。

こちらからは、「実際モノを見ないと何とも言えない」

という風にお答えしています。

医者が患者を見ずに診断できないように、私も物を見ないと状態の原因を正確に判断できません。

また、依頼を受けたサスペンションの当店までの送料はお客様に御負担頂く事になります。

作業完了後、工賃を振込して頂いた後、送料着払いでお返しすという流れになります。

仮にサスペンションを開けてみて、修理不可能と判断した場合もそこまでにかかった時間当たりの工賃は頂かなければ行けません。

どうか御理解いただきたいとおもいます。