去年の年末ごろの作業ですが、遠方の方からこちらのフロントフォークのオーバーホールの
ご依頼を承りました。
シリアル番号を検索したら2011ROCKSHOX REBA RLです。
この年代のREBAでしたら、メーカーの保証期間が過ぎていても
サードパーティーや汎用のシール類があれば、何とかなります。
根本的に壊してしまっているというなら話は別になりますけど、案外そういう事って
少ないです。
最初に言っておきますが、オーバーホールや修理ができる可能性の高いフォークでも、
一度も顔をあわせた事も無い遠方の方からの依頼は、こちらとしても承るかどうか慎重に決めます。
メールや電話で依頼が来るのが大抵ですが、少しでも違和感を覚えるような文面や、
話し方がある人は、言葉を選びつつやんわりとお断りするようにしています。
今回も事前に何回かした連絡メールで、ちゃんと話が通じる人だと判断できたのでお受けした次第です。
事前のヒアリングで、とにかく動きが渋い、動かなくなっているということでしたので、
実際届いたサスを圧してみたところ、”確かにすごく硬いというか渋い”
「この感じなんだろ?」
と思いつつ、どうせ全バラするんだから開けたらわかるだろと、
ボトムレッグを外してみたら中から大量の透明のサラサラの液体と
それに混じった海藻のような、言い方悪いけど痰のような物質が流れ出てきました。
フロントフォークたくさんバラしてきましたがこれは、初めての事。
ボトムレッグを外した直後のスタンチオンとエアピストンロッドがこんな風に汚れていることは
滅多にないです。
想像するにあのサラサラの透明な液体は外から入った水です。
そして海藻のような浮遊物がもともとボトムケース内に入っていた摺動部潤滑用のオイルが科学変化起こしたものでしょう。
水と油ですから、混ざることはなく大量の水の中でゆらゆら浮遊していたのでしょう。
水の侵入をを許したダストワイパーは経年劣化でひび割れだらけ、これだと簡単に入っていきますよ。
本来ボトムケースの底からフォームリングに吹き上げられるオイルは侵入した水で下に流され、しかも
どんどん内部でたまった水の中で浮遊そのうち化学変化、油切れをおこした状態になるうえに
内部で増えた水カサが本来ある空気の容積を圧迫、ストロークする時に僅かに残った空気分が
急激に圧がたかくなるので、動きにくくなってたんではないでしょうか?
たぶんこの考察で正解だと思います。
MTBサスペンションフォークの注意点として、たとえ今回のようにヒヒ割れのあるダストワイパーでなくとも
ダストワイパーとインナーチューブの境目に圧のかかるような形で水をかけてはいけません。
この部分は簡単に水が入っていくとまでは言いませんが、
正常な状態でも完全な密閉ではありまえん。
今回たまっていた水は雨水ではなく、長年の洗車だとおもうんです。
機械の構造的に壊れてしまっているという事でないのがわかりましたので安心して作業を進めます。
一番心配していたのはモーションコントロールダンパー(上の写真の黒い筒状のダンパー)の
オイル通路の調整機構が壊れていることだったのですが(滅多にありえませんが)
この部分全く問題なしでした。
エア室ピストンとロッドも汚れていただけで問題なしです。
Oリングは汎用のニトリルゴムのを使います。蓋の役割のパーツみたいな固定用か、ピストンのような
動きながらの密閉かで別れますが、入り込むとこのスリットの幅や深さが測定できれば必要なサイズは
わかります。
今回は汎用品で対応しています。
たっぷりのSRAMバターを使って組みなおしします。
ダンパー室内用のオイルを新しくするんですが、メーカー指定の10wtのオイルが
規定量足りる在庫が無かったので、他のメーカーのを足したらこんな怪しい感じになってます。
この時代のサスペンションであれば、普通のサスペンションオイルのはずなので問題はありません。
(※今の時代のサスペンションはそれではいけません。)
劣化したダストワイパーとフォームリングを取り出します。
ガッツリ終わっております(笑)
ボトムケースの内部ですがマグネシウムの表面がうっすら白くボコボコ腐食した感じになってます。
すっと水が溜まっていたのでしょうがないだろうと思います。
ある程度掃除をして、水分は全部飛ばして、ボトムケーズには規定量よりほんの少し多めにオイルを入れて
置いたので今後の進行は防げるのではないかな。
新品のフォームリングとダストワイパーを打ち込みます。
今回のパーツはロックショックスの純正品ではなく、PUSHインダストリーズのパーツを
使用しています。
(純正がダメというのではなく、単純に納期を調べたら”7か月”となっていたからです。)
最初から心配はしてませんでしたが、やはりいい品質ですね。
ボトムレッグをはめ込み、アライメント調整しながら固定して完成です。
この時代のサスペンションはメンテナンスがシンプルです。
シンプルなものは不具合も少ないし、壊れないので長く使えるのがいいですね。
26インチ時代のサスペンションながらまだまだいけます。
思い入れがあるフォークだと聞いています。
本当にダメになる時までガンガン使い倒してあげてください。






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