· 

スペシャライズドのトレイルバイクFUSEをシマノXT(一部ミックス)に換装

お客様のスペシャライズド FUSEをシマノ現行XT中心のパーツコンポーネントに

換装させていただきました。

もともと完成車で購入されたと聞いてます、

取りついていたコンポーネントはスラムの物で、

10万円台後半の大手メーカーの完成車についてくるようなものですので

ダメとまでは言えないものです。

でもやっぱり、シマノの上位コンポーネントと比較すれば、

すべてが劣るのは間違いありません。

実は今回の作業は、当店の仕入れタイミングの関係で何回かに分けて作業させていただきました(小さな店特有の問題がありまして申し訳ない)

 

 

まず最初の作業はもう2か月以上前でしょうか?

前後ブレーキ交換からでした。

このFUSEのリヤエンド構造は面白くて好きですね。

整備性も思ったほど悪くないです。

細かい所すっ飛ばして、取りつきました。

オーナーさん4ピストンタイプと迷ったのですが、

コストも考えて2ピストンに、

彼のスタイル的にもこちらで十分だと思います。

(大抵の人に十分な制動力があります)

最初の預かり時はここまで、

シマノの上位グレードのブレーキタッチと効きに満足していただけたはずです。

続いては1か月位前でしょうか?

シマノ現行12Sコンポーネントに対応する29erホイールの制作です。

ウチで手組して欲しいとのことでした。

ホイール構成は、

誉自転車のMTB手組ホイールでは定番のリム

”FORMOSA アルミオフセットリム”、今回は29erの28ホール。

ハブは、私もPPのNo.5の後輪で使用中のシマノ現行XTグレードのストレートプルスポーク用ハブ。

スポークは、これまた誉自転車の定番PillerのPSR14

今回はスポークのみシルバーを選択してもらいました。

シルバーにする利点はズバリ”黒より安い”です(笑)

見た目の好みもありますので好きならそれも良しです。

 

PSR14の首の付近見てください少し太くなってるのわかります?

PSRシリーズはスポークで一番応力のかかる首付近が強化されているのが特徴です。

ある意味シングルバテットスポークと言えなくもないです。

コレは14番のスポークでも15番のスポークでもストレートプルタイプでもJベンドタイプでも同じです。

 

首付近が強化されているので、今度試しにMTB用のホイールをPillerの15番のスポークで組んでみようと思ってます。

 

総仕上げのために3回目のお預かりとなったのが先週の事、

i-spec EVに対応したシマノのXTシフターが中々入荷しなくて

オーナーさんだいぶ待たせて申し訳ない・・・

 

タイヤは今のを気に入っているらしく

前回作ったホイールにチューブレスレディではめ込んで欲しいという

ご要望でした。

「くっせ!あー臭い。」

元のホイールからタイヤを外すと

古くなったNOTUBEのシーラントのアンモニア臭が

季節がら暑くなった店内にモワッと充満します。

 

NOTUBEのシーラントは洗い流しても成分中のラテックスラバーが固まって取れないんですよね、当然物理的な重量物が堆積されていくわけです。

少しづつなら剥がしていけなくもないです。

でもたぶん・・・心折れる方が早いですよ。(手臭くなるし)

 

(後でこの辺の対策になるもっといいシーラントを紹介します)

 

おおっとー!

小さなパンク後発見。

NOTUBEのシーラントもいい仕事してるじゃん、臭いけど(笑)

後輪についてたチューブレスバルブです。

根元にラテックスラバーがこんなに・・・・

コレはハッキリ言って「バルブ穴は密閉出来ていなかった」

という事です!

パンクをシーラントが塞いだのと同じ原理でバルブ穴を塞いだのです。

TLバルブ根元の黒いゴムでしっかり密閉出来てたらこんなになりません。

少し前から、誉自転車ではTLR化で使用するシーラントは

こちらのIMEZIを使用しています。

何人かのお客さんをモルモットにした結果

凄く評判がよく、高性能なことが分かりました。

オールマイティーに使えるシーラント液のみの”IMEZI”と

MTB用の粒子入りの”IMEZI+”の2種類があります。

 

今回は29erの2.6幅という大きなタイヤでしたので、

+の方で片側100ml程使用しました。

 

使用感としましてはNOTUBEより粘度が高く、

当然臭くない(コレにはコレ特有のにおいはありますが、アンモニア臭は無い)

多孔性のチューブレスレディタイヤの場合、タイヤ側面に目に見えない程度の小さな穴が多数あるため、最初そこからシーラントやエアが漏れてくるのはどのメーカーのシーラントでも同じですが、いままで使用したシーラントの中でそれが止まるのが一番早く感じます。

 

何より個人的にいいと思っている特徴は、

成分中の合成ラテックスは固まっても水で流せるという事です。

 

実はこの前、IMEZIのシーラントを実際タイヤ内に流して固めて、

ホントに水で流せるのか実験してみました。

 

動画にとってあるので、また今度公開したいと思います。

 

密閉性も最高ですね、29er×2.6幅のタイヤでも

コンプレッサーで一発でビード上がりました

(今までもTLRで使用されてたので癖がついていたのは間違いないですけどね)

 

さて、あとは普通にコンポーネントを用意していたXTの物の交換調整していくだけです。

ですが一つだけ問題が起こりました。

シマノのMTB用スレッドBBを取り付けてみた時、

このフレーム個体に問題が見つかりました。

BBシェル右側の端面の精度が全く出てません、

具体的にいうと、時計10時~11時くらいの位置ではもう端面に接触しているのに、

それ以外の位置では隙間があって、特に5時の位置付近では0.5㎜以上隙間があります。

自転車屋初めて3年以上でかなりのフレーム触りましたが、ここまでのは初めてです、

スペシャのアルミフレームというと、おそらく作ってるのは当店の主力ブランドの

Mではじまる業界ナンバー2、あのメーカーの台湾工場だとおもいますので、製品には信頼がおけるのですが・・・この業界的にどこの製品にも時々あるんですよ。

正直、確認前はフェースカットしなくても大丈夫だろうと思ってたんですけど、

工程が一つ増えちゃいました。

だいぶ削ったんですけど

右下のあたりうっすらと白っぽいのわかりますか?

そこが凹んでカッターの刃が当たってないところ

残念ですが、このフレームはココが限界。

BBシェルのフェースカット用のカッターはBBシェルの外形よりやや大きいのです。

これ以上は刃先がチェーンステイの根本に当たります。

 

まぁ、しょーがない。

使用するには問題ないレベルだろうと思います。

 

後は普通に取り付け調整で作業完成です。

 

土日天気悪かったので、きっとまだ山で試せてないと思いますが、

体感できるほどの全体のフィーリングアップはありますし、満足してもらえると思います。

 

今回のように他店購入のMTBのカスタムやチューンアップも車両に問題が無い限りは対応していますので、お気軽にご相談ください。