この時期になるとじわじわメンテナンスのご依頼が多くなってきます。
梅雨で雨の日が多くなったり、夏場は乗らないという人もいたりで
理由は様々でしょうけど、毎年6月くらいから
「一旦全部見ておいて」と言って自転車を預けて行く方がおおいですね。
幾つか写真をとっておいたので少し紹介します。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=10000x619:format=jpg:rotate=90/path/s54959b36382f3a10/image/i0456caebbe884487/version/1626605536/image.jpg)
誉自転車にはこんな年代物のMTBも来たりします。
おそらく1980年代後半から90年代初頭くらいのMTBだと思います。
メリダのクロスバイクを購入してくださったお客様からお預かりしました。
ビフォー/アフターの写真などはありませんが。
放置期間が長かったためタイヤ・チューブとブレーキ・シフトのワイヤーとアウター
の交換、それに伴う再調整とそれの為の各部掃除と言った感じです。
聞いて想像していたより、保管状態も良く比較的すんなり1日で完了したと記憶してます。
掛かった金額は¥18,000~¥19,000位だったと思います。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=10000x619:format=jpg:rotate=90/path/s54959b36382f3a10/image/i9d643993f22406fb/version/1626605548/image.jpg)
年代物のMTBも見ますけど、時としてこんな凄いのも入ってきます。
VYNLの実物初めて見ました。
海外のインスタでたまに見かけるこのブランド。
偶然ご来店されたお客様が知っていたので読み方を聞いて
はじめてヴァイナルって読むんだと知りました。
コンポーネントはENVEにクリスキングにSRAM RED etap
触るだけでも緊張する代物でしたけど、触っててなんか違和感、何か足りない?
・・・・・このフレーム、リヤブレーキ以外のワイヤールーティンやインナースルー機構が見当たらない?ってことはコレはSRAMの無線シフト専用⁉
私の勘違いや見落としかもしれませんけど、多分そうなんですよ。
こんな潔いフレームが存在するなんて初めて知りました。
まぁ、この時お預かりした理由はフレームではなくてホイールの不具合だったんですけどね。
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後輪に使用しているクリスキングのクラシックロードハブ、
疑うまでもなく高級・高性能品のはずですが
フリーのラチェットがおかしいという事でした。
どうおかしかったかと言うと、ラチェットが効かずにハブの回転に持っていかれるとでもいうかフリー機構が機能しなくなっていました。
とりあえず原因を探るためにバラします
クリスキングのハブは整備性も最高です。
今回の作業の原因と関係ない話かもしれませんが、クリスキングハブの内部ベアリングのシーリングは片側のみになっていて、よく見る台湾ブランドなどが多く採用しているシールドベアリングとは異なります。
それでも上の写真のようにベアリングに水や泥が入った形跡は全くありません。
しかも内部まで完全に分解でき補修部品も手に入ります。
ですが、まずこのブランドの製品について勘違いしてはいけない事として、
ベアリングやその部品は定期的に頻繁に交換するものではなく、
”定期的にメンテナンスしながら育てるもの”という事です。
つまり”新品時の状態=まだ100%の性能”ではないという事と思ってください。
原因はコレでした。
フリーボディの取り付け側のヘリカルギヤの山の内2か所の山の先端が
ほんの小さく薄く割れてギヤの谷にはさかっていました、
上の写真で人差し指の先端の方に殆ど小さな塵程度の大きさで破片が乗っているのですが、見えますかね?
その破片の出どころになったギヤの山が右半分銀色に写っているところだと思います。
もう1個あるはずの破片は見つけることができませんでした。
多分汚れたリングドライブのルブと一緒に洗浄してしまったんだと思います。
ホント糸グズ程の大きさもない破片なのです。
そしてこの程度の異物で回転が悪くなるクリスキングのハブって本当に最高の精度
で製作されているのだと思います。
しかし、キングのハブの不具合は初めて見ました。
ヘリカルギヤは通常の平歯車より強固に噛み合うはずですが、何か予期してないレベルの負荷がかかる瞬間でもあったのでしょうか?
とりあえず、破片を除けてリングドライブを清掃して新しいルブを滴下して
ベアリングも掃除グリスアップ後元に戻して組み直したらラチェット機構は
何事もなかったかのように復活しました。
沢山ある歯の山のわずか2山のしかも一部だけの破損なので
そのまま使い続けて大丈夫だと思うとオーナー様には説明しておきました。
クリスキングの製品には生涯補償がありますので
こういったことが起こった場合、購入した販売店に状況を連絡すれば
何らかの対応があるかもしれません。
但し、その製品のファーストオーナーであることと
購入時にちゃんとユーザー登録(WEB上で可能)しておくことをしておかないと
せかっくの保証も受けられません。
因みにこの時のメンテナンス代は、確か2千円台後半?だったかと思います。
ハッキリと覚えてなくてすみません。
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お客さんの自転車のメンテナンス写真が意外に少なかったので
私のも行きましょうか?
実はわたしのBREEZER INVERSIONもかなり調子悪くなってたんです。
組み立ててから約2年ノーメンテでしたからね。
何気に今年に入って乗る機会も増えていたら
4月くらいからでしょうか?城山を登ってたら車体のどこからかリズムよく
シュ・・・シュ・・・という音がするようになってました。
あと、ここ1カ月前くらいからチューブレスのエアの抜けも以前より早く、
ドロッパ―に関しては以前のブログでも書いた状態で根本的な取付改善が必要。
最近ようやく重い腰を上げてプチオーバーホールを開始しました。
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ホイールが回っていてもクランクの回転を止めると定期的な音も止まるので音の原因はBBでほぼ間違いないと思ったので、クランク・チェーンリングを外したら
この有様です(笑)
クリスキングのプレスフィットBBですが、滲み漏れ出たグリスに砂利粒がびっしり
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フレームから外して掃除します。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=619x10000:format=jpg/path/s54959b36382f3a10/image/i114342f47d2e5e35/version/1626541509/image.jpg)
ベアリングの玉をむき出しにして残り少なくなってる古いグリスをパーツクリーナで
洗浄します。ホントはBBからベアリングを押し出してするのがいいのかもしれませんけどそこまではせんでええかなーと。
ペーパータオルの上にパーツクリーナーを流したら、細かいけどやっぱり
砂粒みたいなのが少し混ざってますね。
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ベアリングを洗浄したBB(上)と
新しいグリス(クリスキングシルバーグリース)を塗詰め直したBB(下)
この黒いグリースがクリスキングのハブ&BB純正のグリスなのですが、
ハッキリ言って臭いです(笑)
実際メーカー的にはこんなに多く詰める必要は無くて、
全体の1/3くらいの範囲で詰めて、あとは指で回転させながら全体に伸びていくようにして、上からまたカバーになるラバーシートとスナップを止めるのが正解だと書いてました。
さて今回の作業後、車体からの異音は無くなりました、やっぱり
BBの汚れと油膜の減りが原因だったのだと思います。
上の方で”クリスキングのベアリングは育てるもの”と書きましたけど、
メーカー推奨は標準的使用頻度なら6~12カ月に一度メンテナンスするのがいいらしいです。(うろ覚えですけど)
私の場合標準よりかなり使用頻度低いので、丁度今がそのタイミングだったのかもしれません。
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チューブレスのエア抜けが早くなった原因はシーラントが全部カラカラに乾いていた為でした。
ウチが標準作業で使うIMEZIのシーラントですが、使用する状況にもよりますが
若干減り(乾燥)が早いと感じます。
けど、それを差し置いても、
・ラテックスラバーを含まないのでベットリ張り付くことが無い
・アンモニア系の匂いやアレルギー物質を含まない
・乾いたシーラントも擦れば比較的簡単に除けることができる
等のメリットが誉自転車のニーズに合うので使い続けています。
上の写真はENVEのTLレディのリムテープに張り付いたシーラント粕を
除けているとこですけど、IMEZIのシーラントはゴムみたいにはならず、
表現するとしたら”オカラ”みたいになります。
水を付けて擦れば簡単に落ちます。
この点が有名どころのNOTUBEとかよりいいと思います。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=10000x619:format=jpg:rotate=90/path/s54959b36382f3a10/image/id98b081af126e383/version/1626609037/image.jpg)
実はシーラントが無くなっているのは開けるまでもなく予想してたのですが、
なかなか補充しようとしなかったのはこのチャレンジのハンドメイドタイヤの
ホイールへの嵌めにくさを知ってから
もう作業するのが嫌になってたのが原因です。
新品の時は余りの固さに問屋に激怒電話したくらいだったのですが
その後約半年の使用でやっとホイールになじんで
”タイヤレバー使ってうまくやればなんとかなる程度”(笑)
まで装着しやすくなるってました。
因みにチャレンジのタイヤの装着時の固さに文句言ったのは
誉自転車だけではなかったようで、
先日販売店向けの2022年モデル発表動画では、
その点を改善していっていることをアピールしていました。
シーラントも補充してエア漏れも最初の頃のレベルまで落ち着きました
INVERSIONもまたMTBを再開できる秋まではしっかり乗り込むことができそうです。
さて、話を元に戻してお客様の自転車のメンテナンスに関してですが、
ずっと言ってますが、パーツの入荷が無くて
部品交換を伴うメンテナンスなどは、現状ではご依頼いただいても
直ぐに取り掛かれることはまずありません。
交換のパーツが入ってこなくて待っていただいている方が何人も
いる状態になっています。
特に変速に関する部品は手に入りにくくなっています。
そのため、当店でも本来捨てるようなジャンク品から部品取りして
応急措置的にお客様にお返しすることも多くなってきました。
「○○月○○日に使うからそれまでに修理しといて」等の約束は
申し訳ございませんが
しばらくの間お断りすることがあります。
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